日本は降雨量が比較的多く、火山国特有の急峻な地形が多いことから、川の数が多いことや流れが速い川が多いのが特徴で、気候的にたいへん水に恵まれているため、かつては水力発電が電力供給の中心的役割を担っていました。今日では火力発電や原子力発電による割合が高くなり、水力発電は全体発電量の約9%程度となっています。

しかし、水力発電は再生可能エネルギーを利用する太陽光発電や風力発電に比べて単位出力あたりのコストが非常に安く、また発電機出力の安定性や負荷変動に対する追従性では、数ある再生可能エネルギーの中で王者とも言われています。

川は、広い大地に降り注いだ雨が、集約的に集まってできた水の流れであるため、水力エネルギーは、他の自然エネルギーと比較してエネルギー密度が高く小規模で大きな出力が得られるのが特徴です。水が高い所から低い所へ流れ落ちるエネルギー(位置エネルギー)を利用して水車を回し、水車につながれた発電機を回転させ電気を起こします。落差さえあれば発電が可能であり、高いところにあるダムやため池、タンクなどから水道用水や農業用水などを供給するときに、途中に水車発電機を設置すれば発電できます。適応可能な範囲が非常に広い発電方法です。