当社の水力発電は、足尾銅山の順調な発展と日光電気精銅所の起工による電力不足を補うため、明治38年(1905年)4月に細尾第1発電所を起工し、明治39年(1906年)12月に営業運転を開始したことに始まります。この当時の設備は中禅寺湖を天然の大貯水池として華厳の滝から取水することで2,000kWを発生し、電力を11kVの特別高圧をもって足尾銅山に供給し、その総送電距離は17.6kmの長きに及んでいました。

その後、足尾銅山及び日光電気精銅所の更なる発展に伴い、一層の電力不足を生じました。このため細尾第2発電所を明治41年(1908年)4月に起工し、明治43年(1910年)4月に発電機3台により4,000kWの電力で営業運転を開始しました。

大正13年(1924年)に細尾第3発電所(現馬道発電所)を6,000kWで営業運転を開始した頃の足尾銅山及び日光電気精銅所への電力供給は、3水力発電所の自家発電と、不足分を東京電燈(株)よりの買電と足尾油力発電所に依存していましたが、電力消費が次第に増加したため細尾第4発電所(現上の代発電所)を昭和10年(1935年)に3,000kWで営業運転を開始しました。
