戦後時期になっても自家発電による低廉な電力の供給によって生産コストの低減に貢献し、余剰電力の売電によって安定収益源とする役目は変わっていませんでした。
昭和35年(1960年)3月に天然の貯水池である中禅寺湖の湖面水位調整堰堤工事(中禅寺ダム)が完成し、渇水期の安定発電が容易となりました。

昭和49年(1974年)に細尾発電所を親発電所として、各発電所の遠方制御化工事を図り、省力化による低廉な電力を足尾地区及び古河電気工業(株)日光事業所に供給し続けております。なお昭和17年(1942年)以来当所発電の一端を担ってきた神戸発電所は昭和51年(1976年)に上流の草木ダム建設により廃止されています。

細尾第1発電所(旧細尾発電所)

神戸発電所

時代は平成へと移り、平成15年(2003年)9月1日に会社分割・組織改編を経て古河電気工業(株)の傘下となり、社名を古河日光発電(株)と変え、新たなスタートを切ることとなりました。

平成24年(2012年)に再生可能エネルギー普及拡大を支援するため「固定価格買取(FIT)制度」が導入されたのを機に、平成27年(2015年)11月に上の代発電所、平成29年(2017年)5月に背戸山発電所をそれぞれ更新し、余剰として売電していた電力の一部を再生可能エネルギーとして売電することで低炭素社会の実現に寄与しております。
また、古河グループの一員として、今後も安定して再生可能エネルギーを活用するため、令和5年(2023年)3月に細尾発電所の1号水車発電機と水圧鉄管を3年余りの年月をかけて更新を行い、現在では総認可出力30,566kWで発電機を7台所有し、古河電気工業(株)日光事業所に電力を供給するほか、余剰電力を古河機械金属(株)足尾事業所及び東京電力(株)にも供給しております。

平成27年(2015年)11月2日上の代(発)1・2号機 竣工式

調整池から現在の細尾発電所及び水圧鉄管を望む